人手不足は本当に不況の原因なのか

新聞やテレビのメディアで日本の不況の原因は人手不足だとよく言われるけども、本当なんでしょうか。確かに日本の人口の高齢化や人口減少は起きていて、拡大しています。働き手が少なくなれば人手不足になるでしょう。しかし一方で我が国では産業の衰退が進行しています。人口が現象したり高齢化が進んでも産業が成長していないのであれば働き手の不足は起きないでしょう。

日本の不況の原因は需要が足らないからだとも言われています。1990年の初頭にバブルが崩壊してから30年経ちます。過去30年の間に大卒初任給は%5しか上昇していません。バブルが崩壊した後就職氷河期が起こりました。原因はそれまで日本の産業の衰退でした。原因は海外から原材料を輸入して、安く品質の高い製品を作り、海外に輸出する日本の産業が円高で成り立たなくなり。韓国、台湾、中国等に物を作らせるビジネスを始めたのですが。結果は日本から技術が流出してしまいました。  

1995年頃には日本国内で製品を作っても円高で売れなくなりました。もしくは儲けが減り、その為企業は物作りを中国や東南アジアの人件費の安い国で行う政策転換が起きました。日本の経済政策を担う官僚達はイギリスの金融ビジネスや米国流の経営を推奨しました。それまでの物作り中心の経済の大変換期の始まりです。

日本国内ではそれまで日本の物作り経済を支えて来た、熟練技術者が不必要になり。産業や企業を活性化をする為と言う理由で当時の小泉内閣は人材の流動化を促す政策を押し進めました。適材適所がスローガンでしたが、実際には生産拠点が海外に移行した為不必要になった技術者が解雇され。生産性に関与しない事務仕事をしていた正規社員が非正規社員になっただけです。

90年代を振り返れば、日本では産業構造の変化が起き。人材の流動化と言う名目の企業の収益を高める為にそれまで国を支えて来た労働者を解雇する政策を行い。就職できない世代が生まれたりもしました。日本の経済が今の様に悪くなった原因は労働者不足ではありません。

今人手不足によって景気が悪いと言うのは何か変です。普通人手不足なら、賃金が上昇します。しかし昨年2018や2019の実質賃金は減っていると言われています。